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泡のこと

Feb 5

2012

「歪曲王」なるものが本当に存在していてくれたら。

夢の国の怪物が建物を踏み壊してゆくんだって。

痛みを自在に操ることのできる道化師は
とっても沁みるアイスクリームをつくって
自身はもう、どこにも見えなくなっている。
痛みそのものを見ることはできないから。

パヌルーの思想はいつでも
「世界を受け入れし者」として
友達の死も、あらゆる不幸や、アクシデントも、
そのままに、その形のままに受け入れてゆく。


中学生だったぼくはパヌル―の虜になった。
ひとつの思想が、ひとつの能力になるだなんてと
あの不気味はおどろいていた。

いまにしておもえば、あの不気味な奴も、あのときはただの影でしかなかったのだけれど。
それでも、ぼくにはその一言がどれだけ光明だったか。

突然の落雷で電車が止まろうが、あの人が手の届かないところへいってしまおうが、
「そのまま」で。あるがままに。

ぼくはおかげで所在をうしなわずに済んだのだ。
このこと一点に、ぼくは感謝をしている。
そこには1があって、1は一本の木のように、背景がつぎつぎ変わっていくだけのこと。
1はいつもニコニコ笑って、そこがどんな地獄だって、そよぐ風の中とおなじだということ。

以来、ぼくはアドレスを変えていない。
英文がそのままそのタイトルとなっていたので。

たぶん、もとは、衝撃が大きければ大きいほど、自分がどこまでも無になってゆくような錯覚を起こすと、ただそれだけのことだったのだろう。

だから、あの娘のように、ぼくも模倣品でしかないのかもしれない。

あの思想をつらぬける人間は、もう殺されてしまったんだから。

(Boogiepop Phantom)
(パヌルーはカミュの『ペスト』ではありません。たぶん、由来なだけです。)

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