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ベルは鳴る前だろうかのこと

Feb 22

2012

ふたりは道の途中にであった。


右の男はドラゴンに会いに行くという。
左の男は魔女に会いに行くという。

しかし左の男は足の骨を折っていた。
右の男は仕方なく、男を担いで歩いていた。

左の男は、キミがこのまま俺の手伝いをしてくれたらキミは英雄になれるぞ、という。
しかし、右の男は、自分の婚約者がドラゴンの生け贄にされそうなのでとても付き合えない、という。

左の男は、どうしても魔女に会い、世界を救わなければならなかった。
そこで左の男は、自分が指にはめているこの指輪は、魔女を倒すために大変な試練をかいくぐってきたのだ、と力説する。
しかし右の男は婚約者の事がおもいやられ、左の男をその場に打ち捨てて、先をいそいだ。

だが、右の男が村についたときには、婚約者はドラゴンと和解しており、
彼女はドラゴンに乗って遊覧飛行に出ていた。

ドラゴンに乗った婚約者は、途中、打ち捨てられた左の男をみつけ、
左の男をドラゴンに乗せると、魔女の住む村にむかった。

左の男は、魔女の弱点である指輪をかざして、ついに魔女の首をうちとった。
右の男が、魔女の村についたときにはすべては終わっていた。


右の男は、じゃあじぶんがやったことはなんだったんだとつぶやく。
婚約者は、わたしはあなたが喜んでくれるとおもってこうしたのよとささやく。
左の男は、世界に平和をとりもどすことができたので勝利の高笑いをあげていた。


と、先日みた芝居を、なんとなくSFっぽく置き換えてみるとこんな感じでした。
これはおそらく、あらゆる寓意や説法を、はぎとってから見る話なのかもしれません。
だれも悪くはないのに、なんだか食い違っているという、奇妙によくできた世界の断片。

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