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鋳造の街のこと

Jul 2

2010

 IYAYOWORKの杉村が客演をしました
Produce by Nanako Ishihara
「こうかんき」
作・演出 石原奈々子
の公演について。
一度だけ稽古場へ遊びにいかせてもらいましたが、
手をつけたり口を出したりと、厚かましいことは一切せず、
本当におとなしくしておりましたので、
この公演は、まっさらな状態で、一観客として見せてもらいました。
ですから、一観客として、感じたことをいつもどおりに書いてゆこうかとおもいます。
こちらはコンテンポラリーダンスの公演でした。
会場となった KAEAGUCHI ART FACTORY は
日本金属鋳造工業株式会社というところの敷地内にありまして、
もともと工場だった部分を公演や展示ができるようなフリースペースとして改造してあるところです。
改造といっても、
とてもレトロな雰囲気そのままに、
むき出しの木製の梁やトタンの壁で挟まれてまして、
二階で人が歩いただけでも足音がすごぉく響き渡るという、
なんともアンダーグランド的な場所。
小奇麗で、清潔感があるほうが好きな人はちょっと抵抗あるかもしれませんが、
その建物自体も
作品の一部としてとりこむことができれば、
とても素敵空間に早変わりするのではないでしょうか?
僕が観た回では、二階で、少人数のコスプレ撮影会があっていたようで、
本当になんでもござれな会場のようでございます。
さて、この「こうかんき」ですが、雰囲気としては会場にぴったりと合っておりました。
イメージの出発点として
でんしんばしら とか でんせん とか そうしたものに 知らない間に張り巡らされているものに なにか 怖いものを感じる
とかって言っていたようでして、チラシにも
でんしんばしら、でんせん、じゅわき、ひと
でんせん、でんしんばしら、はと、でんせん、こうかんき
と書いてありました。
いま突然思い出しましたが、以前にテレビで
川口は鋳物の街と紹介されていましたが
なんとなくその電線とかと近しい雰囲気があるのでは?
昭和の匂いがして。
ですが、内容としては、イメージの出発点からはちょっと遠くなっていたかと思います。
まあ、それは往々にしてあるでして。
僕が感じたイメージはもっと単純に
「男と女と真ん中と」といった感じ。
人間ドラマがないまぜになって、そこに彼らの日常やら、性質やらが
うまくからまっていく感じでした。
紐や布を使った遊び(動き)もおおく取り入れてあり、
もしかすると、そこで電線的なイメージを流入したかったのでしょうが、
いま考えるとそこまで物質に頼らなくてもいいかなとも思います。
衣装的な小道具として用いるのであれば、布も紐も効果的でしたが、
完全にそのもの自体に意味合いを持たせて、イメージの主体を作るのあれば……
もちょっと布や紐に細工をして、装飾なりなんなり、するべきだったかなと思います。
ですがシーンはうまくつながっていて、動きだけでも、「展開」を感じることができました。
ただ、出演も兼ねている石原さんの役どころが、まわりとかけ離れているというか、
人間界をみまもる精霊界の人物のようになっていて、
精霊界の住人が人間に恋をしたみたいな人魚伝説のような、それでもつまはじきにあってしまうとゆうように見えてしまうのが悲しいことかもしれません。
「こうかんき」というタイトルのように、彼女自身が伝達媒体となって、郵便屋のように二人の人物のあいだを行き来するのかと思えば……そうでもないようで。
まあ、意味合いなんて考えすぎるなと言われれば、そうなんです。
考えすぎても面白くがないものでして、
その意味のわからない加減は、ときに好感がもてたりもするので、
左手に鳥かご、右手に大きなスパナを持った小柄な人物が、ゆっくりと鬼迫を背負って歩いてくるというシーンは
見応えありましたしね。
杉村の力の抜けた、場になじむような動きも
全体のバランスとして良い素材になっていましたよ。
杉村も、初めての他団体への出演で、すごく戸惑いや悩みもあったようですが
見事やり切れたようです。
IYAYOでいつもやっているような作品とのかかわり方や
とらえ方、表し方を、出来るかがぎり演出の石原さんと折り合いをつけながらやっていたようです。
いちおう、IYAYOの主催として送り出した僕も、すこしほっとしました。
そして、またもや羨ましくなりました。
そのほか、こまごましたことや、ここには書けないことなどは、今度直接石原さん本人にお話ししようかと思います。
込み入ったこともゆっくり聞きたがっていると、杉村から聞きましたので、
僕のようなうんちく垂れの話でよければ
くだらない話を交えつつ、いくらでもお話させていただきますよ。
あ、それから、杉村はこの後、10月にもまた客演します。
「快楽のまばたき」とゆう劇団さんでして、
新宿二丁目のタイニイアリスという劇場で公演します。
詳細はまた追ってお知らせいたします。

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