blog

遍歴の一端……とは名ばかり。

Feb 21

2009

 小説に専念しようとは思っていても、どうしようもなく、大部分を演劇的なものが占めていますので、その部分のフラストレーションをいかにかして発散したり抑制したりしようかと拮抗しています。

 あの手この手を用いて、すり替えを行い、そうした欲求となんとかうまくは付き合っているふりをしています。

 演劇に憑かれると、迷走したあげくに、窮地に追い込まれるというのは先人の方々の経緯を見てもわかるのですが、抵抗のしようもないのです。



さて、都合よく切り上げておいて話を進めましょう。



 取り留めて書くこともないので、最近読んだ本の話を。

 川端康成の「山の音」を読みました。戦後文学の最高峰!といわれているようですが、読んでみるとサラサラサラと読めてしまいます。長編ですが、難しいことが書いてあるのではなく、ある中流階級の家族におこる日常的な問題を、家長である信吾の視線で読んでいくものでした。ご老人(信吾)の眼からよみとる周囲の世界は、その一つ一つはなんでもないものなのですが、様様に繋げて考えてゆくと、幻想じみて見えてくる瞬間が各所にあって、「詩的でもある」という川端康成への批評も、読み終えてみてなんとなそうであるなとは思えました。

これは読みやすいので、話のタネにでもどなたか読んでみられると面白いかとおもわれます。

読み終えた頃には、どっぷりと川端康成が描き出したもうひとつの現象の世界の中に住み込んでいるかと思われます。



 一番最近では、澁澤龍彦の「妖人奇人館」というものを読みました。これがまた面白く、あっという間に読めました。世界中の伝説的奇人について、そのとっかかりの部分として、伝説や考察を載せてあるのですが、やはりこの澁澤さんの着眼点というのが非常に面白いです。

 切り裂きジャックの正体について書かれていたり、ノストラダムスの預言について世紀末のもの以外のことを取り上げていたり。ラスプーチンの伝説や、サンジェルマンという不死の伝説をもつ人について書かれていたり。

それを読む限りでは、どうやっても一代限りでなすことはできないような知識や技術をもっていたり、だれもかれも一芸だけではなく、二芸も三芸も持ち合わせていて、どうやったらそうできるのだと思わざる得ないようなものばかり。さらにそれに加えて、奇跡のようなことも起こしたりする。

そして貴族や国王とも友好ふかかったりするのだから、わけがわかえらなくなり、ただただ称賛するばかり……。

決して気持の悪いことが書かれているのではないから、奇人変人に興味がある人にとっては物凄く面白いです。



とりあえず、この辺にして、また読んだ本については今後も少しずつ書いていこうかとおもいます。

Comments