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赤色(せきしょく)

May 17

2009

先週の土日は友達の舞台を見に、今週は昨日六本木にルーブルを見に行ってきました。



土曜日に見たのは後輩が客演する劇団の芝居。時代ものの活劇。

刀を振り回したり、走り回ったりと、勢いのある芝居でした。

男と女とがひょんなことから中身だけ入れ替わってしまい、男が女の芝居をして女が男の芝居をするというややこしや~な展開。こうしたお決まりの展開を演劇でやるとどうしても底が浅くなりがちなのですが……荒波を乗り切るエンジンを持っている人がいたり、劇団の雰囲気がよかったのでしょうか、見れました。

空気作りも良くて、また観客もやさしい方が多かったよう。

後輩も当時に比べると段違いに磨きがかかっていました。

一本筋立てて、まっしぐらな若い人を見てると、協力したくなるもの。





日曜日は養成所の同期の芝居を見に行きました。

女四人芝居でしたが、頑張って空気を動かしていくこと。

カンパニーという体だけあって、劇団のような土臭い感じはなく、冷静にきちんと芝居に向き合っているようでした。

しかし……僕の感覚からすると、演出家の力が大きかったよう。演劇的に見やすい流れというものを熟知していて、きちんと構成してありました。その流れに役者陣は気づいてないようでしたが、気付かないままに操れているその懐の深さと、飄々とした図太さ。演出家の恐さ……。

こちらも同じく、友人さんは頑張っていました。舞台に立つという意識をなんとか保とうとしていて、そこが変わったなぁと思いました。良い意味で。







どちらかというと、僕は土曜日の小劇団のほうが好きでした。一人一人が、今新しいものを自分たちで作っているという自覚があったからです。下克上のような活気があったように思います。



日曜日のほうは、世に出ている劇作家の作品を取り上げて、活躍中の演出家が演出をして、やっぱりアカデミック的な印象は拭えません。



好みの問題というばかりでもないでしょう。見やすいコメディにしたって、考えながら見る小難しい話にしたって、見ている観客だって(今の世の中ですもの)自我を物凄く大事にしています。(それは多くの場合虚栄心として肥大しているのですが。)ちょっと悪く言いましたが、良い言い方をすれば、客だってバカじゃないので、物の良し悪しくらい感覚でわかります。

それは下手にその道を勉強したものよりも素人目の方がクリアーだったりします。

僕なんかは友達の欲目で、友人が出ている舞台は必要以上に楽しみますが、多くの方は友人が出ていようが冷静ですね。「付き合い」という言葉がまかり通っています。



そういう方々はどこにどうしたら琴線に触れるか……



いや、それがわかったら僕もこんなに苦労しちゃいない。

でもまぁ、気持ちがゆすぶられるのは、音叉じゃないですけども、共鳴とか鳴動とか、どこかで声をあげたものが呼応するという感じではないですかね。



役者のその人の中で、ちゃんと何かが響いているか、悲鳴を上げているか、振動しているか、発生しているか……これが大きく関わるのではないかしらん。しかもそれを「剛」として無理やり発生させるのではなく、「柔」として、水の流れのように、やわらかく無意識自然に、されども物凄く爆発的なエネルギーをもって……



とまあ、わたくしは理想を語らせてもらいましたが。

その音叉を発生させるには……

「講師」と「生徒」の関係がほのかに匂う場では難しい気がします。

人が良いというもの絶対的な条件なのでしょうけども、傀儡状態では何もできません。対等に向かい合ってからの信頼でないと、ちょっと無責任でしょうやっぱり。



いえ、僕が見たのがそうだったというわけではありません!

その人たちは、僕がいた頃より随分見違えるようでした。

あの汗はとてもうらやましいものでしたから。

それに演出家と役者とか稽古で紡いできた時間というのは不可侵です。そこばっかしは絶対に口出しできません。それはそれはとても大切な時間なのですから、僕も経験しているからいえることですがね、あんなにかけがえのない時間はないと思います。それがいまだに僕が演劇を好きでいられる理由でもあります。





願わくば、おさまりのいい人(役者)にだけはならないでほしいと思います。友人ならばなおのこと。まだまだ若い人たちですから、天はもっと拓けていると思います。

僕は昔から気にかけ過ぎな帰来がありますからね、余計なお世話だと自分でも思います。べったりにしていたいのは、自分にヒーロー気質があるんでしょうね。

「何様?」と中学生のとき女友達に言われたのを思い出します。

「あんたまさか、私があんたのことを好きだとでも思ってるんじゃないでしょうね?勘違いしないでね。」

と畳みかけられてね。ええ、ちょっと思ってましたから、顔中真っ赤になりましたよ。





昨日はルーブルに行ってきました。

……新国立美術館に行ったのですが……ちょっと趣味が合わず、見どころが少なかったです……。ルーブルが所蔵している古代エジプトの出土品とかが多く、博物館みたいでした。ミイラまであって。どうもヨーロッパあたりの方は、芸事のルーツというものはエジプト側から流れてきたという意識が強いようで、エジプトの文明を大事にしているようでした。でも絵画見るつもりで行って、出土品の方が多いと……期待はずれな感がありました。

どれも見る価値はあるのですが、期待が大きかった分、ジャンルから違う気がしてカウンターパンチ。

胃にきました。

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