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歯のはなし

Apr 17

2010

 歯のはなし。
親知らずを抜きました。
抜糸は終わったものの、また歯ぐきの一部に穴をあけっぱなしにしておいて、ガーゼを詰めています。
ことの始まりは、まだ公演の稽古をしていたときのこと、
稽古中にキャラメルを噛んでいたら、奥歯に被せていた銀の詰め物が取れました。
後日、近くの歯医者へいって治療を始めたのですが、そもそも歯医者へゆくのも数年ぶりでしたので、診断も兼ねてレントゲンを撮ることに。
で、出来上がった写真を見ましたら……
右下の奥歯あたりに、素人でもはっきりとわかるくらい、ボッコシと黒い影が。
医者からの説明をうけなくても、何か異常があるのが間違いない感じ。
飴玉より少し小さいくらいの穴が綺麗にうつっていたのです……。
よく見ると、普通下から上へ生えるはずの親知らずが、
何をおもったか、奥から手前に向かってほぼ水平に生えていまして、
それだけならばまだいいものの、その一本手前の歯に引っかかって、その歯まで歯茎から出てきていないのでした。
海で足をつって溺れた人がパニックになって、助けに来た人の足にしがみついて一緒に溺れてゆく感じ。
で、その歯と歯がぶつかっているところから、穴のようなものができていまして、
「これはもっと大きな大学病院とかへ行ってください。」と言われたのです。
そのことを稽古場で話すと、みなさん爆笑して、腫瘍だったら脳に転移とか、大手術とかおっかないことを矢継ぎ早にゆうものだから、僕もちぢみあがって、すぐに大学病院まで行きました。
で、見てもらうと、
おそらくは、膿がたまってるんだろうと思うけれども、レントゲンだけじゃ詳しくはわからないからCTを撮りましょうとゆうことになり……
乗りました。あの横になって巨大な筒の中にはいっていくやつに。
あんまり耳にしなくなった近未来とゆう言葉が(あれって目を閉じるものだから)瞼のうらにはっきりと浮かんでくるんです。
最初は全身麻酔で入院……なんて話も出ていたのですが、CTの結果、症状はまだ良好だったようで、部分麻酔の小一時間の手術で済むようでした。
なんでもその穴がアゴの中を通っている神経に触れているかどうかがかなりシビアな問題だったようで。ぎりぎりで触れてなかったようです。
もちろん、手術は公演後に設定しました。
公演が終わって疲れも取れたころ、手術の日がやってくるのですが……
注射が嫌いで、小学校のころ泣きながら逃げた僕からすると、歯茎に麻酔を打つなんてのは狂気の沙汰……
いい年になってもこればっかりは……
先生、注射するんですよね……やっぱり、痛いですよね……僕、注射、苦手なんです……
といつもの施術台に横になりながら、先生の顔をひっしと眺めると、
「じゃあ、目を閉じましょうか。」
「はい……。」
優しく子供をあやすように言われて、僕は初体験の処女のように手すりをギュッと握りしめ、頬の筋肉だけなんとかゆるめて、大きく口をあけました。
細く鋭い針がチクリと刺さるのが、
目を閉じてるから余計にわかるんです。
眉根をキュッとよせると、うっすら目を開けてしまって、ピストンを押す先生の手が……
でまあ、しばらくするとジンジンとしびれてきて、感覚がなくなっていって、メスで切り開いて、親知らずの摘出。
この親知らずがまた真横に生えているし、歯に引っかかっているしで、バラバラに砕かないと取れないので、また時間がかかりまして。
抜歯をしたら、今度は膿の袋を摘出し、縫合。
押さえ込まれていた歯が、再びまた生えてくるかもしれないのと、膿がまたたまらないように、しばらく洗浄をくりかえすために、一部分だけ穴をあけっぱなしにしておくことに。
ガーゼを詰めてはあるものの、術後はしばらく血が止まらずに、ずっと鉄の味が抜けず、唾をはけども真っ赤、眠って朝起きてみると、のどはカラカラで……しばらくは大変でした。
それに詰めてあるガーゼも、時間がたつとほぐれてはみ出してきて。それを何度もつまようじで押し返して……
で、今に至ります。
随分ガーゼの違和感には慣れてきて、今では普通の状態と変わりありません。
手術後は少し顔も腫れましたけれども、今はもとどおりに。
たまに、右下の奥が疼くように痛むのは、押さえ込まれていた歯がまた生えてきているのだそうです。
しばらく感じていなかった「成長痛」って痛みをまた感じることができて、なんだか妙な感じです。
IYAYOの山田は「平木は親知らず抜いてから、前よりひどくなったなぁ!」と言っています。
え?何が???

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