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姉妹編4

Jul 27

2008

(つづき)

…さて繋ぎ合わせてみたものの、拡大解釈して、良いように書いた部分があります。それが中盤以降まで盛り上がり興奮していた僕の気持ちが、後盤一気に白けた部分なのですが…



舞台上のリアリティやリアリズムというのはよくわかります…演じ方は本当に見事でした。ですが何と言うか…台本上のやり取りが、僕らの生活にとって当たり前な程、度を越して日常的だったというか(近親相姦が日常的ではないですよもちろん。ヒステリーなどがです。だから聖女が特別に聖女でもないし、かといって傷のある人間でもない。頑張って生きている普通の個人が、やや有り余って描かれていた感じがする…)、そこまで拡大して取上げることでもないかなと思いました。それに演劇や舞台上に日常の良識や常識が入り込むと、どうしても引いてしまうようで…法を越えた精神とか、不道徳に見えるけれどもそうせざるを得ない何かがみたいのですが…

最終的には一人の聖女が悪を打ち砕く勧善懲悪物語に見えて、急に白けてしまったのです。そういった最初から決まりきったような展開になると、どうしても現実に引き戻されてしまぅ…



こうやって頭からストーリーを整理してみて、展開が繊細でたおやかで綺麗なのは改めてわかりましたが…やっぱりどうしてもあの終盤が解せないのです。たしかにあれ以外手はなかったのかもしれませんが、急に説教臭く、善は善の役回り、悪は悪の役回りを振られ、その通りにやられると、人間が生きていく上での自分個人にしかわからない正当性が見えなくなってしまぅ…思惑が薄れ、犯罪者は単なる犯罪者で社会生活に於ける油断と怠慢によってそうなるだけにすぎなくなる。

そんな劣った人間をわざわざ作って舞台にあげなくたって…だから最近また流行っている通り魔とかだって、あんな油断した怠惰な人物を「鬼」だなんて祭り上げる必要はないのですよ。成熟していない、愚鈍な怠け者には身に余る称号ではございませんか。



でも今回の芝居では…また違った人間像から入り、一人の人間としていつのまにか「犯罪」という枠組みに足を踏み入れたように見えたのですが、最後の最後で線引きされて自ら犯罪者になりたがったように見えて、期待していた僕は泣きそうなくらい白けてしまった…



そしてそのうえに流れてくり造花の彼岸花…リアリティの方が一瞬にして彼岸のかなたに…あのときの白け用は鼻で笑ってしまうくらい…もぅ少し手はなかったのだろぅか…あれはあまりに稚拙な気がしました…



それでも、そこを差っ引いても、これだけの分量を書くくらいなんだか引っ掛かる芝居なのでした。

もちろん、こんなに力に溢れた芝居は到底僕には書けませんし、これだけのものが書けたら僕は天にも昇るくらい嬉しいでしょう。

それからもちろん、役者さん方々の芝居は言い表し用のない程素晴らしく、松さんのああいった人物像は見たこともなかったし、実に見事でした。

そういった芝居に導く演出家としても、物凄い才能であるなと感服するばかりです。そしてあの芝居全体の空気感といい、難解なパズルのピースがばらまかれたような展開といい、見応えのある堪らなく面白い芝居でした。本当に。

ただだから最後だけが…

逆にいえばそこ以外は本当に、何と言えばいいのかわからない程素晴らしかったのです!

だからこうして、わだかまりがなんとか解消できないかと分析し、書いてみたのですが…

まだまだやっぱりわかりません。

もしかしたら、またやはり僕の理解が足りないだけで、本当は非の打ち所もないくらいものすごい作品なのかもしれません…



でも…なんだか…判然としない不消化な感じが…

ちょっと気持ち良いです。



だって考えている間は、僕はまだあの芝居の中に世界の中にいられるわけですから、気分がいいのです…



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