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姉妹編3

Jul 27

2008

(つづき)

…作家の父は子供向け冒険小説を書いているのだが、冒険を続けているのは未だ精神的な子供である自分であり、さらには小説に登場する猫は、娘や手の内にある存在の喩であるようだった。

つまりは自分の描く世界の中でのみの王となるらしい。ホテルの一室という小国の王として、従順な娘を囲っている。

だから虚栄心の固まりというか、国外の人物、つまり血の繋がらない他者へは、自分の立ち位置を高く保たなければ話せない。最初から全ては約束され統括された世界にしか住むことができない、怖がりなようだった。

だから手の内の娘、小説に登場する猫の成長に戸惑いや不安があったようだった。飛び立って行くという不安ではなく、成長そのものに対する違和感と、いつか自分の王としての生活が密告によって脅かされるのではと。



しかしながら、その密室の鍵もスプーンのへらで開いてしまうというのが、片田舎のホテルの皮肉なところ。だからここに住んでいる者は誰しもがこの事実を知っていた!

(もしかすると、と勘繰ると亡くなった妹にも手を出した過去があるのかもしれない)



そういった覇王がやってくるのだが、それは父御本人が非常に人付合いが苦手で不器用で、人と他者と理解の範疇外の者と面と向かうことをしてこなかったために起きる防衛線でしかない態度がそうさせるのだ。



しかしながら、この現状で、無知であるから子供であるからで赦されることはない。無知そのものが罪であること。

娘には何の罪もないのにだ。



そしてこちらでも洗濯が続く。

ついに父親は娘が孕んだことを知る。

崩れ落ちる父。

その絶望する父の姿を見ていた娘。

もしかしたら喜んでもらえるのでは、何故なら二人は愛し合っているからと微かな希望を抱いていたのだけれど、その道は潰えたことを知る。

そして2人が選んだ、決意した道は…



純愛として貫くために、それが許される世界への逃亡であり、2人で死ぬことであった…それにより2人は2人だけの愛情を享受しあえる…





水面に曼珠沙華の華がたくさん流れてくる。鎮魂歌のように、彼らの生を慰め、そしていさめるように。

取り残された馨は、その父と娘の死の光景が、自分の過去とフラッシュバックしたのか、はたまたこの親娘をヒステリーの果てに本当に父親と妹と思い込んだのか、父に叫ぶ。

「なんで私じゃなく、妹なのよ。」

そこに旦那が現れて

「帰ろう!」と声をかける。

二人の死体を前にして夢うつつか我に帰ったのか…

「はい…。」と声がぽろりと。





以上が大まかなストーリーです。それでも全体の作りシーンごとに2人ずつ登場する対話によって作られていて、会話の中に断片的に盛り込まれた言葉を僕の方で勝手に繋ぎ合わせているものなので、見る人によってはまた別な話しを作ることも出来ると思います。

ですからある意味でストーリーを作るだけで感想になるかもしれません。



…さて繋ぎ合わせてみたものの…(つづく)

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