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劇後のまとめと、雑記

Jul 27

2010

先々週くらいに見た芝居をさくっとさらっておこうかとおもいます。
まず
世田谷パブリックシアターであった『醜男』
マリウス・フォン・マイエンブルクというドイツの新進気鋭の劇作家さんの作。
観劇後調べてみて、なんと三年前に発表されたとのこと。
古典かと思ってた……それくらいどおってことない、やりつくされたような話でした。
顔が異常に不細工だった男が、整形で絶世の美男子になって、仕事もうまくいくし女にもモテるし、ウハウハ~になっていたら、その整形外科医がまわりのみんなも全く同じ顔の美男子に作り変えてしまって……自分が得たものをその顔だけ同じ他の連中に全部横取りされてしまって……
ああ、自分ってなんだろう、中身?外見?それとも……ああ。
みたいなお話でした。
おもしろくなくはないけど、はっきり面白いともいえない話……しかもラストシーンがエヴァンゲリオンの最終回みたいで、冗談じゃなかった……
演出も悪くはないけど、小劇場大好きな方々にはきっとものたりなさを感じるだろうなという感じ。
小金持ちが休日の趣味で見に行くには絶好かもしれないなとおもいました。
ああゆう映画をハリウッドとかでやったらウケるのかもしれない。
シアターコクーンでは『ファウストの悲劇』をみました。
作がクリストファー・マーロウというエリザベス朝時代の作家さんらしいです。
演出は蜷川幸雄。
どえらい金を使ってド派手な演出と舞台美術と仕掛けとワイヤーと……
視覚的に圧倒されました。
悪魔の衣装に身をつつんだ俳優陣がワイヤーで空を舞い、
後ろの舞台では、なんだか楼閣を輪切りにしたようなセットの中で、客相手をしている女性とか、酒を飲んでいる男とか、普通に衣装を着替えていたりとか、馬がいたりとか……
その真っ赤っかで色鮮やかな感覚には、やられました。
それから大好きな長塚圭史さんのまっすぐな芝居にもやられました。
なにがいけなかったって、台本が……エリザベス朝時代なら仕方ないんでしょうが……
勧善懲悪、宗教的観念が根深くって、ファウストの話を都合のいいように捻じ曲げて、お偉方が「これでよし、これでよし」と検閲して楽しむためにつくられたかのような本。
すんごい頭のよいファウストが、世の中のことを知りつくして、最後に手にとったのが黒魔術とか悪魔の本で、悪魔メフィストフェレスを呼び出して、いたずらを重ねる。
ただひたすらいたずらを重ねる。
そして、時がきて、ファウストは悪魔との契約どおり地獄へ連れて行かれる。
……そのいたずらがしょーもない……
人の頭に鹿の角はやしたり……透明になってえらい坊さんの食事を邪魔したり……とか
頭がいいんならもっとやるべきことがあるだろうにとか思うような、しょーもないいたずらで満足しちゃう……。
苦しいのは、主役やってる野村萬斎さんばかり……とくに終盤の苦悩のあたり。
お客さんはもう疲れて、飽きてきているのに、そこへきて、子供がだだをこねるような小さなことをちくちくちくちくと並べ立てて、どうしてじぶんばっかりこんなに不幸なんだ~と叫ぶようなシーン……
あれは大変だとおもいました……。(台本のせい。萬斎さんではなく。)
やらなきゃなんけれども、やってもむくわれない……けれども芝居として迫真の演技をやらねばならぬ……けど、そこでいくらやっても……
おそろしく辛いジレンマだとおもいました……。
本以外があまりに見事だったために、なんだか車酔いしたような変な気分になりました。
三本目は東京ドームシティーの中にあるシアターGロッソという劇場で
福岡の劇団、ギンギラ太陽’sの『遊園地3兄弟の大冒険』という芝居。
この劇団は「かぶりもの」をする劇団で、ビルとかバスとかそうゆうものを擬人化しておおくりします。さらに、地元密着というスタイルを貫き、福岡に関する建物や歴史を物語に起こします。
劇場内に入ると、すでに客席は福岡の西鉄バスのかぶり物をした西鉄バス軍団に占拠されていて
写真撮影大会がはじまっていました。

これをみるといつも、実家に帰ったときのようにほっとします。
内容は、
福岡の到津遊園という遊園地の話。
閉園するしかなかった到津遊園に
「つぶさないでほしい」という26万人分の署名が集まり、
その市民の声が、街や自治体を動かして
ついには「到津の森公園」として生まれ変わったという実話をもとに、
過去の到津遊園の話と、
夢の世界を駆け回るテーマパークたちの話とがからみあって……
一概に、かぶりもの集団といって切り捨てることのできない
たしかなストーリー・演劇になっていました。
主催の大塚ムネトさんが体調を崩してしまい、5月にやる予定だった芝居をやむなく7月に延期したのですが……
無事復帰されて本当によかったです。
主催さんの演劇がとにかく好きなんだという熱い気持ちがひしひしと伝わってきました。
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今現在はおとなしく書き物をしている最中です。
公演台本とはまた別のです……、
公演台本の素材はなんとなくあつまってきましたので、8月には書き始められるかと思います。
自主映画のほう、あとすこしで撮り終わります!
ゲリラにゲリラを重ねて、逗子や浦賀まで真夜中に車を飛ばしたのがすごい楽しかったです。
おかげさまで波の音をバックに、満天の星空を拝めました。


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