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ファンファンのこと

Nov 25

2010

ジェラール・フィリップという俳優さんをご存じでしょうか?
古いフランス映画の名優で、とんでもなく美形のお兄様です。
IYAYOでもジャン・コクトーの「山師トマ」をたたき台にした芝居をやりましたが、
コクトー映画の常連さん、ジャン・マレーさんも顔立ち凛々しく、色気があります。
さらにそこに、美輪明宏さん一押しのアラン・ドロンを加え、
フランス映画の美の御三家とかなんとか。
感性のジャンマレー、知性のフィリップ、野心のアランだとかいっているらしいです。
ウィキペディア調べなので本当のところはわかりませんが、
今回はこのジェラールフィリップさん。
いちど映画を見てもらえればわかりますが、ほんとうに美しい顔です。いつ、どの時代でみてもかっこいいといえるのではないでしょうか?
持前の鋭いカンを存分にはたらかせ、甘いマスクの使い道を、演劇的に、最大限に引き出している気がします。
愛称は、ファンファン。
(なんでも当たり役の役名がファンファン・ラ・チューリップだったそうで。)
「悪魔の美しさ」というゲーテのファウストが原作の映画で、初めて出会ってから、虜になってしまいました。
ファウスト博士をおとしめ魂を奪おうとする悪魔メフィストフェレスと、若き日のファウストの二役をこなすファンファン。誘う悪魔の甘美さと、災禍にまきこまれながらもなんとか生き抜こう、悪魔の裏をかいてやろうとする人間の業と強さとの両面を味わえて、二度美味しい映画でした。
コクトーさんが愛した夭折のラディゲさんの小説「肉体の悪魔」の映画にも出てました。
旦那の出兵中に若い奥さんを寝とってしまう少年の話なんだけれども、
ジェラールフィリップの子供っぽさといったら、たとえ男でも母性本能にめざめて頭をなでてしまうでしょうよ。胸の奥がきゅんとしめつけられて、決して憎めない。
その他にも「愛人ジュリエット」と「モンパルナスの灯」、今はスタンダールの「赤と黒」を観ているところですが……
「ジュテーム……」
といわせたらこの人の右に出る人はいないでしょう。
こんな「愛してる」をいえるひとは、いままでみたことありません。
これは是非どなたさまにも体感していただきたい逸品であります。
芝居だけでも異様な魅力を発揮するのに、ついには自身で監督までやっちゃうのだから恐ろしい。
まだ監督作品を観ていないので、なんとも言えませんが、すごく興味があります。
それにしても、この方、名作ばかり出演している。
「愛人ジュリエット」は「天井桟敷の人々」で有名なマルセル・カルネ監督。
(あの寺山修司さんの演劇実験室天井桟敷の天井桟敷はここからきているそうです。)
「モンパルナスの灯」は画家モリディアーニの一生を描いた映画で、
生前、絵が全く売れず飲んだくれて、不幸と悲しみのうちに36歳の若さで死んでゆくという話なのですが……
これまた意味深で、ジェラール・フィリップもまた、肝臓ガンで36歳の若さで亡くなったそうです。
その命日がなんと今日。11月25日なんですって。
これを読んだ方で、興味の湧いたかたは、是非ビデオ屋にいって、ジェラールフィリップさんの映画を一本借りてみてください。きっと惚れますよ。


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