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ため池の兎

Jul 26

2008

初めて衝撃的な芝居に出会ったのは高校生のころ。

母に連れられて「マイロックンロールスター」という芝居を見に行きました。当日は何の知識もなく、長塚京三や長塚圭史の名前など全くしらず、かろうじて野際陽子さんや京野ことみさんをテレビでみて顔と名前が一致していたくらい。

それまで、僕の芝居のイメージは劇団四季とかガラスの仮面だったので、「小劇場」なんて世界があるのを知らなかったのです。

長塚京三の息子、長塚圭史は阿佐ヶ谷スパイダースという演劇ユニットを大学在学中より立ち上げ、ぐんぐん動員数を延ばしていき、若くして才能溢れる方として、今では父京三さんよりも脚光を浴び、期待をされている。

マイロックンロールスターは長塚圭史さんが27歳のころの作品で、パルコと初めて手を組んだ作品である。

作・演出は長塚圭史。

出演が父長塚京三という親子の芝居ということで話題になったらしいが…



当時の僕は知るよしもなく。



目の前で知っている有名人が惨劇に巻き込まれ、火傷を負ったり、息子の存在をないものにしようとしていたり、生々しい狂気で殺しにかかったり…セックスに憎しみにそれぞれのエゴに…



テレビや新劇なんかでは見せてこれなかった、世の中のだれでもが避けてはとおれない辛さや苦しさ…一言でいうならばそうゆうものを全て引っくるめて閉じ込めてなかったことにしておきたい「暗さ」が主題になっていた。その衝撃と耳障りなまでに巨大な音量が、焦りとなって座席に沈み込むくらい、いたたまれない、距離を取りたいくらいになった。



だから僕は始めはこんなの芝居じゃないと憤っていた。それがそのことについて考えているうちに…いやいや、時間というものが経つうちに、変な美談のようになるのですが、種が奥底に刺さっていて、それが芽吹くように、そういった芝居の、そういった世界のかけがえなさと、絶対的な必要性、やらなきゃならない怒りみたいなものが生まれて…今はそういった気分に満たされ、突き動かされ、芝居をしている。

だからたぶん、マイロックンロールスターは、僕が芝居へと向かうきっかけになったのだと思う。

今ではもっと素晴らしい作品や世界を知ることができたけれでも、今でも長塚圭史さんという存在は目が離せない、すごく刺激になるので、長塚圭史さんの芝居は極力見に行くようにしている。

その座席に沈み込む感覚は、それ以来、僕の芝居を見る際の一つの感覚となった。それはたぶんその感覚が、観客という、ものを見ている絶対的な安全地帯を脅かし、共通の世界や意識に引きずり込む体験となるからだと思う。

と、ここまで書いてから、また芝居の感想を書きます。

長塚圭史さんの「SISTERS」という芝居を見に行きました。これがまたちょっと問題作で…また整理がつかないのです…





あっ!電車乗り過ごした!!?

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