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おもちゃの兵隊・行進

Oct 6

2007

「パプリカ」に引き続き、今敏監督の作品を立て続けに2本見ました。



『千年女優』と『東京ゴッドファーザー』です。



これまたどちらも見ごたえ抜群……滅多に泣かないし、作品に対して泣かせてくれなんて期待もしないのですが……



どちらも見ながら、泣いてました。





「千年女優」。若くして芸能界を引退した時の女優が半生を振り返り、取材に来た方々に語っていくお話。

彼女がどういった思いで映画に出演していたのか。それは彼女の実生活と深く関っていて、そのどちらもが彼女にとっての現実のようでありました。

追憶は過去から、そして現在にまで立ち返り、そして未来へと流れ出していきます。たった一人の名前も知らない、顔も思い出せない青年への恋にのみ生きた、それがゆえに、その彼を求め続ける情熱が、一生涯の恋が、彼女を若く若く生かし続けた……





アニメーションならではかと思いました。この作品は実写では空虚になりすぎる。なんとしても、この人間をこの世の中に出現させたい、そういった思いがなければ、こんな作品は、人間の脳内を出ることはなかったでしょう……





「東京ゴッドファーザー」は、3人のホームレスがクリスマスに捨て子を拾う話です。

千年女優やパプリカに比べると、一つ筋がハッキリしていて、時間空間を飛ぶことがないので、幾分か見やすいでしょう。ただその分、濃厚に人間性人間味を丁寧に描き出します。

その人間味にピッタリはまる、江守徹・梅垣義明・岡本綾。

アニメ的な「ありえない!」の展開も、この赤ん坊が引き起こした奇跡の力というのなら信じられる気がします。

全くもって、アニメだからといって敬遠する必要がないかと思います。

実写に失われている人間の底力が、ここにはありました。







この2作品を見て思いました。

もうこれはもしかして、実写だの云々の話ではないなと。

芸術や作品なんてのは、どれだけ人間に対しての「愛」があるかないかだなと。

それは人間に対しての愛情。いつくしみ。生命に対してのいつくしみ。愛。そういったものが感じられてこその作品であり、そうであるからこそ、出現・創作の意欲がわく。



人間は奥深くて、到底わかりきれるものじゃあない。でもそこに挑んでなにか、人間なるももの燐片に触れたい。そこになにかがあるのはわかる。





弛まぬ努力をしていけば、毎年世界記録だって更新されてるし、宇宙にだって飛び出してきた。宇宙の果てまで見たかと思えば、電子だって見ることができるようになった。そういった職業分化の世の中ならば、演劇なんぞの役割において「娯楽」のみに括るのはいささかもったいないでしょう。



できることはまだまだあるんでしょうよ。発見されてないことなんかも。



まだまだ不確定のイヤヨの道筋も、ここ数年でなんとかハッキリしてくるといいでしょうね。

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